本書で取り上げる技術対象

さまざまなセンサをネットワークで接続するセンサネットワークシステムは、社会のすみずみまで入り込み、これからの産業を大きく変革させる潜在的なエネルギーを秘めています。
ネオテクノロジーは本レポートで、喫緊の課題である高齢者支援にセンサネットワークシステムがどう役立てられようとしているのか、直近の特許情報から探ります。

◆屋外活動支援
施設内ではなく街中での、高齢者の活動を支援する発明を取り上げます。自動車の運転支援や歩行などの動作安定支援などの技術があります。

◆コミュニケーション支援
高齢者のコミュニケーションを支援する発明を取り上げます。音声による館内放送の内容を表示装置にテキストでも表示する技術や聞き取りやすいインターホンなどがあります。

◆操作の容易化・単純化
高齢者でも機器を容易に操作できるようにする発明を取り上げます。センサと掌の距離をコードに変換してパスワード入力する技術や使いやすい図書検索方法などがあります。

◆体調管理と健康支援
高齢者の体調管理や健康維持を支援する発明を取り上げます。介護施設などで見守り映像で異変を感知した場合に適切な通報先へ映像を転送するシステムなどの儀があります。

◆迷子・徘徊対策
高齢者に特有の迷子・徘徊を課題とする発明を取り上げます。迷子情報データベースと地図情報データベースとを連携させる技術や病院内を移動する患者の居場所を特定する技術などがあります。

◆避難誘導
緊急時に高齢者を避難誘導させる発明を取り上げます。災害時に高齢者などの要支援者を優先的にエレベータで避難させる技術や集合住宅の災害時避難経路報知システムなどがあります。

◆注目すべき参考事例
電子機器のリモコン端末が操作信号を発信する際に操作信号に続いて特定信号を送信して安否確認を行う技術などが含まれます。

★本シリーズ「パテントガイドブック」のねらい

技術テーマのプランニングや技術開発において、技術者自身が最新の特許情報を的確に把握することが求められています。しかし、膨大な特許情報の中から必要な情報を抽出するには困難が伴います。そこで、特定の技術テーマにフォーカスし、俯瞰しやすいレベルにまとめたのが本シリーズ「パテントガイドブック」です。

技術者の視点で直近の特許情報から最低限必要な約100件の情報を厳選した本シリーズは、技術者が進むべき将来の方向を探る道しるべとして最適なガイドです。

１．ガイドブックシリーズのねらい
２．ガイドマップ（当該技術の全体像俯瞰マップ）
３．IPC/FIガイド（当該技術テーマの検索ガイド）
４．着眼点別特許抄録

・屋外活動支援
・コミュニケーション支援
・操作の容易化・単純化
・体調管理と健康支援
・迷子・徘徊対策
・避難誘導
・注目すべき参考事例

掲載企業（TOP10）

三菱電機株式会社
株式会社ナカヨ通信機
東芝エレベータ株式会社
京セラ株式会社
日立コンシューマエレクトロニクス株式会社
アイホン株式会社
鯨田　雅信
カシオ計算機株式会社
日本電気株式会社
シャープ株式会社　ほか

技術的着眼点を俯瞰できる

ガイドマップガイドマップは、アングル（技術的着眼点）ごとに図面と企業を選び放射状に配置した、ネオテクノロジー独自の俯瞰マップです。直近数年の出願にあらわれる技術と企業を見渡すことができます。

深堀調査に役立つIPC／FIガイド

深掘調査を行う際には国際特許分類（IPC）や日本特許庁独自のファイルインデックス（FI）を利用すると便利です。IPC／FIガイドではアングル（技術分類）ごとの特許情報に実際に付与されている特許分類を抽出し掲載しています。

見やすい誌面

本書で取り上げた特許情報をアングル（技術分類）ごとに分けて抄録を掲載することにより、技術の特徴がより把握しやすい誌面構成となっています。また、巻末には特許情報の一覧表も掲載しています。