障害のある人のためのPOS決済支援システム


障害のある人が日々の買い物を安心して不自由なく出来る。そのようなことが、最先端技術によって実現されようとしています。この発明は障害のあるユーザのPOS決済を支援するためのシステムです(US20180373382A1、Poynt Co.,)。



全体システム

Fig.6Aはシステムの全体構成を示しています。システム100は、障害のあるユーザからの入力(例えば、タッチ入力)を受け付けるように構成されたディスプレイ110と、ディスプレイ110に近接した一組の触覚キュー120、支援マップを記憶し、支援マップに基づいてタッチ入力をデジタル入力にマッピングするように構成された処理システム130で構成されています。



触覚キューでタッチ入力を支援

タッチ入力を支援するのは触覚キュー120です。触覚キュー120は、障害のあるユーザ(たとえば、視覚障害、運動障害、認知障害、聴覚障害など)がタッチ入力するのを支援します。ユーザは、障害のある顧客の場合はもちろん、障害のある店員の場合も対応が可能です。触覚キューは、付加された触覚要素(数字、番号、展示、チェックマークなどの記号など)、埋め込まれた触覚要素(くぼみ、素材要素(ざらざらした表面、滑らかな表面)、動的または静的に調整可能な触覚要素、幾何学的要素、指向要素など、触覚キューに適した要素が用いられます。触覚キューは、ディスプレイ110のベゼル部分(Fig.6A)や側面(Fig.6B)、背面(Fig.6C)に配置されます。



処理システムとマッピング

処理システム130は障害のあるユーザからの入力を処理します。処理システム130は、セキュア処理システム132と、メイン処理システム134で構成されています。処理システム130は、ユーザから収集した物理的入力とデジタル入力との間のマッピングを定義する複数のマップを持っています。物理的入力とは、例えば、シングルタッチ、マルチタッチ、ジェスチャ、タッチ入力のタッチスクリーン座標などのタッチディスプレイにおけるタッチ入力などです。デジタル入力とは、例えば、ディスプレイに提示可能なタッチ入力オプションとして、デビットカードに対応するPIN番号の数値入力などです。

マップは、支援マップ(例えば、障害のあるユーザのために支援モードと共に使用される)、非支援マップ(例えば、障害のないユーザのために使用されるデフォルトマップ)、センサベースのマップ(例えば、収集されたデータ(加速度計、ジャイロスコープ、またはIMUなどのPOSシステムのモーションセンサ)に基づいて異なるマッピングを定義するもの)、一般的な入力マップ(たとえば、障害のあるユーザおよび/または障害のないユーザによる、タッチ入力のマッピング、機械的入力、口頭による入力など)などがあります。マッピングの際には機械学習が用いられています(【0064】~【0065】を参照)。



最先端テクノロジーによって、暮らしが変わる

この発明では、各種のセンサデータを用いることで、障害のある人が自由に買い物を楽しむことができるようになります。今までにも、障害者支援のための物理的なバリアフリー(段差を無くす、点字ブロックを)は取り組まれてきました。これからは、最先端テクノロジーを活用することで、サービス上でのバリアをもっと少なくすることが可能になると思われます。そうすれば、安全で豊かな社会の実現に近づくとともに、社会課題を解決する新たなビジネス創出にもつながるのではないでしょうか。