個人のスキルに合わせてレシピを推薦


人間のスキルには個人差があります。この発明は、個人のスキルに合わせて、異なる処理方法を提案する発明です(US2018/0158010A1、IBM)。



人工知能が料理レシピを提案

作りたい料理を検索して、料理レシピを探す料理レシピのサイトがあります。近年、IBMは、Watsonを用いたインテリジェントクッキングレシピアプリケーション“Chef Watson”をリリースしました。“Chef Watson”は、既存の料理レシピ、既存の科学データ(フレーバー化合物の分子構造)、料理関連の情報(食材の組合せ)、特定の定番食材の組合せ(トマトとバジルなど)を組み合わせて、予期しない成分の組合せを探し、料理レシピを提案します。さらに、“Chef Watson”は、ユーザーがレシピに含めたい成分、除外したい成分、食事時間(朝食、昼食、夕食)、コース(前菜、メイン、デザート)を指定することができます。



個人のスキルに合わせたレシピが必要

しかし、いくら料理レシピが素晴らしいものであっても、料理を作る人間のスキルが伴っていなくては意味がありません。この発明は、レシピを実行するために必要なスキルと、ユーザーの持つスキルがマッチしているかどうかを確認し、ユーザーのスキルに応じて、ユーザーごとに必要なオペレーションを提示する発明です。

Fig.1はこの発明の全体構成です。Fig.4はユーザーインターフェースを示しています。この図のユーザーインターフェースには、ダブルマカロニチーズのレシピに含まれる成分リスト(420)と、レシピアクションリスト(430)が表示されています。例えば、ユーザーがリウマチ様関節炎を有している可能性がある場合、泡立て、圧搾、および細断の処理が難しいことがわかりました。そこで、ユーザーはGUI(432)でこれらの処理を選択し、これらの処理ができないことを入力します。これらの処理に対するスキル制限の関連付けは、機械学習によって学習され、ユーザーのスキルマッピングに登録されます。

このユーザーのスキルマッピングは、既に登録されているレシピと照合され、候補レシピを推薦します。この候補レシピのセットは、ユーザーが要求し他の基準(含みたい成分/除きたい成分、民族性、食事タイプなど)について評価されます。

この発明は、料理に限定することなく、ユーザーのスキルに応じた処理を推薦するクレーム記載になっています。料理だけでなく、スポーツや趣味、大工仕事、製造現場でのオペレーションなど、様々な場面で、人間のスキルは個人によって異なります。この発明は、全員がスキルを高めるという考え方ではなく、個人差に応じて異なる処理方法を提案する、という考え方です。今後、様々な場面での適用が考えられます。