競技スポーツの採点支援


オリンピックやワールドカップサッカーが記憶に新しく残っています。スポーツは、身体能力・精神能力の限界に挑戦する選手たちの姿勢が、観戦する私たちに感動を与えます。その一方で、近年では、複数の演技種目からなる競技(体操やフィギュアスケートなど)の技が複雑化し、審判員の採点の負荷が大きくなっています。動画を用いた審判支援も行われていますが、見直し対象の技を確認するために、最初から全ての演技を確認する手間がかかり、時間が掛かります。この発明は、審判員の採点と、競技者のセンサデータを用いたコンピュータによる採点結果を比較しやすくする発明です(WO/2018/069985、富士通)。



コンピュータによる採点

レーザーセンサ(4、4a)から競技者(P1)および周囲の物体までの距離を反映した点群の情報(センサデータ)を取得し、センサデータを情報処理装置(2)に出力します。情報処理装置は、2以上のレーザーセンサが出力するセンサデータを用いることで、3次元の骨格データ(D1)を得ます。骨格データの時系列変化を、あらかじめ記憶された技毎の運動パターン情報と照合することで、競技者による技を特定します(図7)。


審判員の採点支援

審判員は、競技者の演技を見ながら文字を入力します。採点支援装置(1)は、審判員(R1)により入力部(1d)に入力された技を表す文字を認識することで、審判員による採点結果の入力を受け付けます。基本運動を示す文字の組により技を特定する場合、入力された文字間の時間間隔やスペースの間隔により、技ごとの区切り(すなわち、基本運動の1つの組)を認識することもできます。文字列(文字または文字の組)ごとの入力開始時刻や入力完了時刻を検出することもできます(図8)。


コンピュータ採点と審判員採点の比較

処理部(1b)は、コンピュータの採点結果に含まれる技の識別情報と、審判員の採点結果に含まれる技の識別情報とを対応付けて表示します。例えば、技の時系列の順番です。コンピュータが取得した時刻と、審判員が入力した技ごとの入力開始時間および終了時間を用いて対応付けます。採点結果比較画面(7)には、時間帯、センシング技術、審判員の項目を表示します(図15)。


見直し対象の技のみを素早く確認

センシング技術の項目と、審判員による項目とを比較し、採点結果が同じものは両採点結果が適正である可能性が高いと判断します。採点結果が異なるものは見直し対象となります(図15の430)。審判員は、見直し対象の記録された動画等を再確認し、採点を再度行うことができます。