建設工事の進捗に合せて、仮設足場の資材を把握する


建設現場では、工事を進行させながら、周囲の躯体の構築段階に合わせて、足場などの仮設構造物を増設して工事を行います。足場の増設段階に合わせて、必要な資材のリストを作成するための工夫があります(特開2018-063636、日建リース工業)。



仮設資材は現場合わせ

仮設構造物の資材を、どの時期にどの程度用意して現場に搬入すればよいかを管理することが出来れば、現場では資材置き場のスペースを確保することができ、また、仮設構造物のリース会社では在庫管理の効率向上になります。資材管理を効率的に行うためには、最終的な資材のリストだけではなく、構築途中の資材のリストを複数作成・算出しなくてはなりません。しかし、増設段階に合わせた複数の資材のリストを作成するのは、作成者の負担が大きく、人件費の増大につながってしまいます。

二次元図面から三次元情報を自動生成する

CADソフト上の二次元図面から、仮設足場の三次元情報を生成するまでのプロセスを示します(図2)。二次元図面は、既にデータベース化されている仮設足場の資材のライブラリを組み合わせて配置することで作成されており、各線分や連結要素には、仮設足場の資材の情報が既に埋め込まれています。

図7で、選択された平面図はA1、表示線はa-aとb-bの2つです。平面図A1に規定した表示線a-aに対する立面図はA2(a-a断面図)、平面図A1に規定した表示線b-bに対する立面図はA3(b-b断面図)です。これによって、選択された平面図および立面図から、仮設足場の三次元情報を生成します。三次元情報には、ジャッキベース、水平材、垂直材、ジョイント、大引材などの各部材の種類や本数、配置情報などが含まれます。また、三次元情報の生成にあたって、平面図および立面図から明確に把握することができない領域については、予め定めたルールや人工知能等によって自動的に資材の配置を行います。

躯体の構築に合わせた、必要資材の把握

前述のとおり、仮設足場は周囲の躯体の構築に合わせて増設されます。そのため、どの時期にどの程度の資材を用意して現場に搬入するのかを把握する必要があります。感性状態の仮設足場の二次元図面から、立面図の選択を部分的に行って三次元情報を生成します(図12のD1,D2)。