イベント開催時の混雑を高精度に予測する


花火やお祭り、ライブなどのイベントには大勢の人々が集まります。しかし、イベントが過剰に混雑すると、転倒リスクや交通機関の麻痺など、楽しいイベントが一変し、人々の安全を害してしまいます。そのため、人々がイベントを安全に楽しむためには、混雑状況を正確に把握し、人々の誘導や警備を行う必要があります。この発明は、イベント開催時の混雑予測を高精度に行う発明です(特開2018-022413、三菱電機、東京大学)。

従来のイベント警備監視方法では、事前に、過去の実績またはデータをもとに、イベント会場または通路等の警備対象区域の人出に直接関連する交通機関等の流出入地点における人出を予想していました。警備実施時には、カメラが警備対象区域の人出に関連深い周辺地点に設置され、撮像された画像を画像処理して人流を計測し、人流の実測値と過去の人出の流出入データとを用いて、周辺地点および警備対象区域の混雑を予測していました。


初期状態を、正確に少ないセンサーで取得する

未来の混雑予測の精度向上のためには、入力値となる予測開始時点の混雑状況を高精度に把握する必要があります。しかし、従来の方法では、予測開始時点の混雑状況の情報はカメラが設置されている個所以外は取得できません。本発明は、時間的予測と空間的予測を行うことで、未来の混雑予測の精度を向上させる発明です。

現在時刻から予測時間が経過するまでに計測地点を通過する人の数を予想した予想データ(時間的予測)と、現在時刻における予測対象領域の混雑状況結果(空間的予測)とを用いて、現在時刻から予測時間が経過するまでの予測対象領域の混雑状況を予測します。これにより、現在時刻における混雑状況結果に基づいて、未来の混雑予測の精度を向上させます。