航空機の機体の腐食発生を予測する


航空機の機体表面の潜在的な腐食を識別して、腐食リスク発生を予測する発明です(US2018/0017481A1、The Boeing Company)。

腐食は、物質が徐々に破壊されるプロセスです。一般的に、腐食は金属で起こりますが、他の材料でも起こります。腐食は、空気中の水分にさらされることや、2つの異なるタイプの金属間の接触などによって発生します。航空機などの車両製造において、腐食は、メンテナンスや寿命に大きく関わります。航空機製造プロセスにおいて、潜在的に腐食リスクを低減する材料を選択することが望ましいのですが、現実には、材料の選択は、コスト、製造性、構造性能、および航空機の空力性能などの他の目標とのバランスによって決まります。


さらに、炭素繊維強化ポリマー(CFRP)複合材料の導入により、これらの材料と航空機で現在使用されている他材料との適合性は、腐食に関わる複雑さを増します。例えば、一定の材料に見られるアルミニウムと黒鉛との間にガルバニック電位が存在します。その結果、航空機内にアルミニウム、鋼、チタン、複合材料、および他の材料を使用することにより、ガルバニック腐食を引き起こすリスクが多高まります。


機体表面の潜在的な腐食を識別して、腐食リスクを予測する

モデルを使用して機体表面の潜在的な腐食を識別し、異なる種類の材料の腐食リスクを特定するデータソースを使用して潜在的な腐食表面の腐食リスクを予測し、予測された複数の腐食リスクを機体の機能設計単位に集約して、腐食リスクを減少させるための機体設計のモデルを変更します。Fig.1は本発明の構成を示しますが、Corrision Predictor(114)に知能ベースや人工知能、ファジーロジックなどが用いられます。

腐食リスクは、グラフィカルユーザーインターフェース上に表示されます。Fig.4で示された航空機は領域ごとに5つの色別表示されています(408、410、412、414、416、418)。Fig.5は実施形態による航空機の翼の腐食リスク評価の図解です。色で腐食リスクを表示するようになっています。ストレス誘起腐食、応力腐食割れ、隙間腐食、ガルバニック腐食、孔食、局部腐食、選択浸出、浸食腐食、微生物腐食 腐食、または他の種類の腐食のリスクなどを算出することが出来ます。