IoTに適したセンサデータの処理


IoTが展開していくにつれて、コンピュータ処理の負荷は重くなっています。様々なタイプのセンサやデータベースからの生データは、IoTインフラに巨大な負荷を与え、ソフトウエアを複雑化させます。IoTの進展が意味しているのは、膨大な量のデータが生み出されること、そして、それらデータはリアルタイム分析が必要なことです。


例えば、スマートシティのような大規模用途では、何百万個ものセンサデータによって、データセンター内のソフトウェアの複雑化、管理の高コスト化が問題となります。このような膨大なIoTセンサからのデータ処理に対応したコンピュータ処理モデルが求められています。


この発明は、IoTセンサデータ処理に適した“Landscape Computing”というコンピュータシステムの発明です(US2017/0353542A1)。Landscape Computingは、低パワーの複数のコンピュータエンジンと緩くつながっていて、リアルタイムなセンサデータやIoTアプリケーションによる膨大なデータ処理を行う際には、コンピュータ同士が連携して実行します。



人間のネットワークを模した“Node”と“Edge”

“Node”はオフィスや家庭、ビジネス、道路、農場などの周辺環境やインフラ内に埋め込まれており、それぞれの独立したコンピュータエンジンはNodeでつながっています。複数のNodeを組合わせることで、スーパーコンピュータと同じような処理が可能となります。スーパーコンピュータと異なる点は、低コストで周囲の知能資源を活用することです。


IoTセンサデータはネットワークの“Edge”で分散処理されます。ビデオ画像やレーダーデータ、または各種センサの融合データは、エッジで独立して処理されることで、データ量の圧縮とデータを転送するコストを減らすことが出来ます。


この分散コンピュータは人間のネットワークを模しています。人間のネットワークは、洗練された抽象度を持ち、共通の目的を達成するためのコラボレーションの形は様々であることが特徴です。また、人間のネットワークは、外部から集めた情報を用いて、複数の方法によってゴールを達成する賢さを持っています。そこで重要になるのは、繋がりをもつこと、コミュニケーション、各個人の専門に特化することです。


Fig.1は、ランドスケープコンピュータのプラットフォームを示したものです。


明細書の中には、Landscape Computing の具体的な手法として、 センサーネットワークの区分けに相当する、sub-model、domain-specific、vendor-specific、technology-specificに分けることや、センサーの区分けに相当する、“sites”と“zones”に分けるなど、様々な手法が記載されています。