牽引車とトレーラーのサラウンドビュー画像


自動車は何かを牽引するのに使われることがあります。例えば、ボートやキッチン器具を搭載したトレーラーなどです。しかし、牽引移動中は、牽引車両とトレーラーの周囲の環境を見渡すことは困難です。また、トレーラーが旋回しているのか、進行しているのか、確認することが難しい場合があります。


本発明は、牽引車とトレーラーを取巻く周囲の環境を見渡し、360度の鳥瞰イメージを生成するシステムの発明です(US2017/0341583A1)。



Fig.5AとFig.5Bを見比べてください。Fig.5Aでは、牽引車両とトレーラーに設置されているカメラ(44)で撮像されたイメージは、少しずつ角度が異なるため、それぞれが画像に重複領域「overlap」(458)があります。この発明では、重複領域を特定して、境界領域の画像をつなぎ合わせることで、統一した連続画像を生成することが出来ます。


Fig.5Cはつなぎ合わされた画像の例です。牽引車両の片側のカメラから得られた第1のストリーム画像(502)と、牽引車両の別の側のカメラから得られた第2のストリーム画像(504)と、トレーラーの後方のカメラから得られた第3のストリーム画像について、車両内のビュー生成モジュールが境界線(508)を特定します。その後、車両内の調整モジュールと補正データによって、調整された領域(510)を決定します。このデータ調整の際に、deep learning等のAI手法が用いられます。これによって得られる画像がFig.6Aです。

どんなクレームをしているか

上述のように、この発明は、2つの画像の重複領域を特定し、境界領域の画像をつなぎ合わせることで統一した連続画像を生成することが特徴です。クレームではどのように表現されているでしょうか。クレーム1を見ると、重複領域のことを「at least one common feature between a first image of the plurality of first images and a second image of the plurality of second images」と記載し、さらに、distanceとpositionでfeatureを特定しています。日本語に訳すと「第1の複数画像と第2の複数画像の間の少なくとも一つの共通する特徴」となります。この表現では重複している場合でなくても、2つの画像の間の共通性があれば適用されることになり、権利範囲の広いクレームになっています。なお、重複領域「overlap」の記載はクレーム11になって初めて出てきます。このクレームは、ある事象を表現するのに、別の言葉で概念化を検討する際の参考になります。