買い物代金を自動精算する無人レジ


人工知能を用いたスーパーやコンビニなどの無人レジの発明です(特開2017-157216、サインポスト)。

セルフレジでは長時間のレジ待ちの解消にならない

近年では、コンビニやスーパー、ショッピングセンター等で、買い物客が自分で精算を行うセルフレジが増えてきています。しかし、セルフレジになったとしても、商品それぞれのバーコードの読み取りが必要なので、精算に掛かる時間は有人レジと変わりません。そのため、買い物客は長時間レジ待ちをすることになってしまいます。また、買い物客は、店が他の買い物客で混雑していると買い物を諦めてしまう場合があり、店側は販売チャンスを逃してしまいます。そのため、買い物客が商品を購入する際に、商品代金の精算の自動化、および、精算時間の短縮化が求められています。さらに、従来の店舗では買い物客やレジ担当者による万引き等の不正も問題となっており、このような不正防止を図るシステムも求められています。


この発明は、人工知能を用いたスーパーやコンビニなどの無人レジの発明です。具体的には、店舗内の買い物客やカゴ類等の移動物体を追跡しながら撮像し、棚内の状態の撮像と比較することで、商品を特定し、特定された商品を精算します。ここでは、従来のようにレジ端末に置かれた物体を画像認識して自動精算を行う場合と、レジ端末を用いずに、棚から物体が取られた段階で商品を特定し、出口と連動した精算ゲートで自動精算を行う場合の二種類の方法が示されています。


レジ端末に置かれた物体を画像認識して自動精算を行う

物体を載置し撮像する無人レジ端末2を用いた自動精算システムです(図2、図3)。レジ端末2は、物品が載置される所定エリアAを囲む囲み部270、天板部271、底板部272、側板部273を備え、所定エリアAを撮像するレジカメラ211が天板部271と側板部273に固定されています。所定エリアA内に物体が置かれる前の背景画像と、物体が置かれた後の物体撮像画像を比較し、背景差分処理により、物体ごとに物体領域を定義します。存在が認識された物体をディープラーニング等の画像処理手法を用いて商品候補をリストアップし、物体の画像情報とマッチングさせます。これにより、レジ端末の所定エリアAに載置された商品は、複数商品が一括で特定され自動精算されます。


出口と連動した精算ゲートで自動精算を行う

商品がレジ台に置かれることなく精算ゲートを通過するだけで自動精算できるシステムです(図31)。買い物客は、入り口41から入店し、買い物カゴを取ってショッピングカート(あるいは持参したマイバッグ)を利用して、棚内の商品を取ってカゴ類の中に入れ、通路44を進みます。買い物客は、購入したい商品を全て取った後、精算エリア45へ進み、精算します。入口41から出口42までの間の通路44の天井には複数の天井カメラ310が、各棚ラック43内の各棚の複数個所には複数の棚カメラ311が設置されています。天井カメラ310によって撮像された撮像画像に基いて状態空間モデル(ベイジアンフィルタ等)を用いて移動物体Mo(買い物客、カゴ、カート等)を発見し、移動物体Moを中心として変化のあった領域を連続的に見つけることで、移動物体Moの領域を移動物体領域として定義します。棚カメラにより特定された商品とカゴを紐づけ、移動物体Moと紐づけます。つまり、特定された商品を取った買い物客が持つカゴ(移動物体Mo)を特定します。移動物体Mo(決済する買い物客)が精算エリア45に進入した場合、1以上の移動物体Moと紐づく商品情報(商品リスト)を基に、精算金額・精算対象商品が確定されます。精算機5aを用いた精算ゲート5-1において、買い物客が精算ボタンを押すと、移動物体Moに紐づく商品情報が読み出され、買い物客が決済すると、精算ゲート5-1を通過可能となり、買い物客は退店します。