土壌性質に合わせたスマート農業


土壌分析、肥料や農薬散布量を管理するスマート農業の発明です(US20170245419A1、INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION)。



均一な肥料散布は、不均一な収穫の原因

農業では、一般的に、トラクタで肥料や農薬を広大な土地に均等に散布します。そのため、農地に植えられた作物は、実質的に同じ量の肥料や殺虫剤を浴びます。しかし、特定エリアにおいては、肥料や農薬の量を多く(少なく)した方が有益な場合があります。例えば、あるエリアは別のエリアよりも多く肥料を散布した方が良く、その他のエリアは肥料を散布しない方が良い場合があります。さらに、また別のエリアは、それぞれ異なる程度の農薬で対応可能な、それぞれ異なる程度の植物や動物が存在しています。このように、肥料や農薬を同じ量で散布することは、肥料や農薬のメリットを増減させてしまう原因になりかねません。

この発明は、農地の土壌性質に合わせて肥料や農薬を散布する発明です。農地の土壌性質に関するデータを集めることによって、散布する肥料や農薬をマネジメントします。



アグリデータ収集車がアグリデータを集めてマッピング、レコメンド

アグリデータ収集車(101)が作物情報(未熟、成熟、作物が枯れた/収穫された)、土壌情報(アルカリ性レベル、窒素レベル、リンレベル)、生育状態(害虫、微生物、病気)などを集めます(102はロケーションセンサ、103はワイヤレスレシーバー)。
このデータがプロセッサ(104)に送られ、これらの作物情報と農地の複数のエリアと相関させたマッピングが生成されます。
そして、このマッピングに基づいて、作物の種を植えるべきエリアや、十分な窒素を含有していないので種を植えるのを避けた方がよいエリアのレコメンドが行われます。
このレコメンドに基づいて、アグリ車(105)はマッピング上の特定エリアに肥料を散布して他のエリアには散布しない、または、特定エリアには肥料を散布して他のエリアには農薬を散布する、などを行います。