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2015.04.14
ネオテクノロジーでは「人の感情に関わる技術」や、
「五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)と関わる技術」
に関する特許情報を見はじめています。
聴覚に関する特許情報の中で、興味深い発明が2つありました。
1)人工関節の違和音を無くす
一つは、人工関節の聴覚的ノイズを無くそうという発明です。
体の中に人工物を埋め込むことは、自由に動ける便利さを得ると同時に、
心理的な違和感を伴うものではないでしょうか。
人工関節のない私達でも、“ギー、ギー”という音がするのではないか、
と連想してしまいます。実際にはそれほど大きな音でなくても、
心理的な負担は大きいのではないでしょうか。
この発明は、人工関節の間に二種類のコーティングを施すことで、
聴覚的ノイズの強度を減少するように工夫しています。
公開2015-501163(エーメディカ コーポレーション)
2)会話をマスキングする
もう一つは、喫茶店や金融機関の面談カウンターなどでの会話が、
近くにいる人に聞こえないようにする発明です。
人が集まっているざわざわした場所で大事な話をしている時に、
誰かに会話を聞かれてしまうのではないか、と心配になることがありますよね。
今までにも、マスキング音を発生させるスピーカーの工夫がありますが、
マスキング音量が大きいと煩わしく、かといって音量を落とすと、
隣室からの音漏れが気になってしまいます。
煩しいという印象を与える要因は、マスキング効果を強調させる信号処理にあり、
原音のまま流せば解消するが、マスキング効果が弱くなるという問題があります。
この発明は、会話音に対するマスキング効果を維持しながら、
秘匿化データの再生音を聞いた人々に与える煩わしい印象を軽減させる工夫です。
特開2015-34932(大日本印刷)
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特許情報を基にしたディスカッションの中で、
ものづくりのハード的な技術だけでなく、
人間の微妙な感情に寄り添うソフト的な技術も必要ではないか、
という議論も出てきています。
弱い立場の人(高齢者や病人)ほど最先端の技術でカバーする、
そんな社会が近づいているのではないでしょうか。