19世紀アメリカの特許図面はインダストリアルデザインの宝庫

18世紀半ばに産業革命がイギリスで起こりました。技術革新の波は19世紀末には西部開拓の勢いを増したアメリカに移り、一獲千金を夢見た人々の欲望と情熱はエネルギーの塊となり、大陸横断のための蒸気機関車やエジソンによる蓄音機や電球など多くの発明が生み出されました。工業化を目指した19世紀末アメリカで生み出された特許図面は、インダストリアルデザインの原点であり宝庫です。

特許図面に表現力を学ぶ

特許発明には図面を記載する必要があります。その発明がいかに役立つ素晴らしい発明かを説明する大切な図面です。特許図面には「考え方」が技術的思想として表れています。また、発明者が特許の権利保護を確実にするための意図も込められています。つまり、特許図面はきわめて機能的な役割を果たす図面なのです。発明家のプレゼンテーション力の結晶と言えるのではないでしょうか。

100年前の発明家とコラボレーション？！

インダストリアルデザインは機能性と美しさを追求します。100年以上前の特許図面には、みずからの発明の素晴らしさを多くの人々に伝えたいという発明者の力強さがあります。どこか懐かしくレトロで美しいアメリカ19世紀末特許図面は見ているだけでわくわくします。わくわくすることはなにより創造の出発点です。

もくじ

発刊の趣旨 　p4

1. 乗り物
蒸気機関車　 p5
サブマリン　 p41
空を飛ぶ　p77
馬なし車　 p113
自転車　 p149

2. 建造物
橋　 p185
街燈 　p223
彫像 　p259

3．身のまわりの道具
もしもし 　p295
羅針盤 　p331
おもちゃ 　p367
Doll 　p403
午後のひととき 　p437
Christmas　 p473

4．抽象形状
螺旋 　p509