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メールマガジン「電源技術と特許NEWS」注目発明バックナンバー

メールマガジン「電源技術と特許NEWS」注目発明バックナンバー

「デッドタイムによる誤差電圧の変化抑制」(2020.10.2配信分)

技術と特許をつなぐ電源技術メルマガ━━━━━━━━━━━━━━━━
◆注目発明7◆デッドタイムによる誤差電圧の変化抑制
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2020.10.2━◆◇◆
インバータ制御は上下アームのスイッチが同時にオンすると貫通電流が流れて破損するという課題があります。そのために上下アームをスイッチングする際にはデッドタイムを設けて同時ONを防止する方法がとられています。
 
今回注目したのは、デッドタイムによる誤差電圧の変化を抑制する発明です。(特許-6760218、トヨタ自動車株式会社)
 
デッドタイムに起因する誤差電圧がPWM信号の電圧に重畳されてスイッチング素子へ出力されると、複数のスイッチング素子への出力電圧が変化してモータから出力されるトルクが変化してしまいます。
本発明は、このデッドタイムによる誤差電圧の変化を抑制する方法です。
 
具体的には電流実効値と電流進角値とを設定し、モータの各相の電圧指令と搬送波の電圧との比較により生成されるPWM信号を用いて、複数のスイッチング素子をスイッチング制御する方法です。
モータの各相電流のうちの何れかがゼロクロスする電気角が、複数のスイッチング素子のスイッチングにおいてデッドタイムとなる電気角範囲外となるように電流進角値を設定します。
《参考図》
【図1】

図1

【図2】

図2

【図4】

図4

《公報を読む》
http://www.neotechnology.co.jp/mailmagazine/20201002/特許-6760218.pdf
 
■技術と特許の羅針盤コンパスシリーズ「モータ用インバータ回路」
※第3巻「モータ用インバータのデッドタイム制御」を発刊予定!
https://www.neotechnology.co.jp/info/news/2020/09/07/22382/
 
■R&D技術者のためのマンスリー特許情報ピックアップサービス「モータ用インバータ回路」
 ※今回ご紹介した注目発明をご覧いただけます!
https://www.neotechnology.co.jp/info/news/2020/08/20/22346/
 
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▼ネオテクノロジーの専門技術スタッフYNのプロフィール
パワーエレクトロニクスを担当。
電源機器メーカ開発部長、イギリス研究所駐在、JEITA電源委員などの経験を活かし電源特許情報定期監視、技術監修として活躍。
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「モータ用インバータのスイッチング損失低減」(2020.9.9配信分)

技術と特許をつなぐ電源技術メルマガ━━━━━━━━━━━━━━━━
◆注目発明6◆モータ用インバータのスイッチング損失低減
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2020.9.9━◆◇◆
インバータの効率改善は、モータ装置全体の効率改善につながります。
特にインバータのパワー回路部は半導体スイッチで構成されていることから、各半導体スイッチの「スイッチング損失を低減する」ことは、インバータの効率改善や小型化につながるテーマです。
 
今月注目したのは、インターリーブ方式またはブリッジレス方式を、任意に選択可能な電源装置とすることで、モータ用インバータのスイッチング損失低減を実現しようとする発明です(特許-6733418、株式会社富士通ゼネラル)。
 
モータが高速回転で負荷が大きい場合はインターリーブ方式、逆にモータが低速回転で負荷が小さい場合にはブリッジレス方式を選択します。
負荷条件によってスイッチング損失の少ない方式を選択する方法です。
 
このようにモータ駆動の運転状況に合わせて回路トポロジーを切り替える方法は、大変面白い発想です。
今回は電源部分に着目していますが、モータを直接駆動するインバータの方式でも同様の考え方ができると思います。部品点数やコストとも関係してきますが、コンバータやインバータの各々の制御方式を、稼働状態に合わせて最良な効率になるように、切り替えながら組み合わせができるようになるとさらに楽しいですね(YN)。
《参考図》
図1

図1

図5

図5

《公報を読む》
http://www.neotechnology.co.jp/mailmagazine/20200909/特許-6733418.pdf
 
■技術と特許の羅針盤コンパスシリーズ「モータ用インバータ回路」
 ※第1巻「モータ用インバータのスイッチング損失低減」を発刊予定!
https://www.neotechnology.co.jp/info/news/2020/09/07/22382/
 
■R&D技術者のためのマンスリー特許情報ピックアップサービス「モータ用インバータ回路」
 ※今回ご紹介した注目発明をご覧いただけます!
https://www.neotechnology.co.jp/info/news/2020/08/20/22346/
 
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▼ネオテクノロジーの専門技術スタッフYNの略歴
パワーエレクトロニクス、安全工学を担当。
電源機器メーカ開発部長、イギリス研究所駐在、JEITA電源委員などの経験を活かし電源特許情報定期監視、技術監修として活躍。
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「一体型回転電機の電磁ノイズ対策」

(2020.8.5配信分)

技術と特許をつなぐ電源技術メルマガ━━━━━━━━━━━━━━━━
◆注目発明5◆一体型回転電機の電磁ノイズ対策
特許-6723445(出願2017.4.26三菱電機株式会社から)
特開2020-110031(出願2019.1.7日立オートモティブシステムズ株式会社から)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2020.8.5━◆◇◆
自動車のEV化が進む中、モーターの開発競争(小型化/軽量化/高出力化/高効率化/低ノイズ化)が激化しています。その一つの技術分野として、“イーアクスル”という一体型モジュール技術が注目を集めています。
今回は、一体型回転電機を進める上で避けて通れない電磁ノイズ対策に関する2件の特許情報をご紹介します。
 
1)特許-6723445(出願2017.4.26三菱電機株式会社から)
インバータ一体型回転電機の制御基板が、周辺機器から放出された電磁ノイズの影響を受けたり、逆に制御回路基板から放出された電磁ノイズが周辺機器へ影響を与えたりという課題がありました。
その解決策として制御回路基板を周辺機器からシールドするという特許発明です。
具体的にはインバータのパワー半導体を放熱させるためのヒートシンクとシールド板で制御基板を挟んでサンドイッチする構造です。もちろんシールド板は電気的にヒートシンクと同電位に設定しています。単純な構造なので他の制御基板の電磁ノイズ対策にも応用が利きそうです。
《参考図》
図1

図1

図2

図2

《公報を読む》
http://www.neotechnology.co.jp/mailmagazine/20200805/特許-6723445.pdf
 
2)特開2020-110031(出願2019.1.7日立オートモティブシステムズ株式会社から)
回転電機と制御基板を一体で構成した一体型回転電機は、電磁ノイズを防止するため制御基板の一部を安定電位であるグランドに接続する必要があります。
本発明は、制御基板のグランド接続を新たな部品を追加することなく一体型回転電機の構成部品を使って接続します。
具体的には回転電機のシャフトをグランドの導通経路として使用する構造です。
既存の構成部品をフル活用して電磁ノイズ対策する方法は、コストダウンにもつながる良いアイデアと思います。
《参考図》
図2

図2

《公報を読む》
http://www.neotechnology.co.jp/mailmagazine/20200805/特開2020-110031.pdf
 
このように電磁ノイズ対策は、パワートレーンの高電力密度化が進むとともに注目する技術のひとつです。(YN)

「ゼロエミッション・ゾーンのハイブリッド車両」(2020.7.22配信分)

技術と特許をつなぐ電源技術メルマガ————————————
【最新特許事例紹介4】ゼロエミッション・ゾーンのハイブリッド車両
特開2020-104755(出願2018.12.28トヨタ自動車から)
——————————————–2020.7.22—————-
唐突ですが、国連のSDGsと17のゴール。
2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
ゴールの7番目は「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」。
9番目には「産業と技術革新の基盤をつくろう」が掲げられています。
スペーサー
2020年秋からイギリス政府は自動車にグリーンナンバープレートを導入。
パリやロンドン、バルセロナ、ミラノなどもローエミッションゾーンLEZ制度。
汚染物質を排出する車両の都市流入が制限されます。
欧州では都市環境改善のため電気自動車へのシフトが加速しているようです。
スペーサー
ご紹介する最新特許事例は特開2020-104755の発明。
ゼロエミッションZEV領域とハイブリッド車の取り組みです。
1)走行予定経路にZEV領域がある
2)ZEV領域の手前ではエンジン発電モードでバッテリSOCを高レベルに維持。
3)ZEV領域の中ではエンジン停止、電動走行モードを選択。
高SOCから余力を持ってバッテリによる電動走行を長く継続できます。
4)ZEV領域を通過するとSOCが一段下のレベルでエンジン発電モードにします。
スペーサー
明細書の段落記号【0014】にインバータの五大運転モードが書かれています。
インバータ回路はモータや発電機とセットで考える。
こんなインバータ回路の技術思考が見えてくると思います。
スペーサー
《参考図》
図1

図1

図5

図5

図6

図6

《特開2020-104755の全文明細書はこちら》
http://www.neotechnology.co.jp/mailmagazine/20200722/特開2020-104755.pdf
スペーサー
SDGsは持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
SDGsの目標を実際の技術につなぐバックキャスティングに特許情報は使えます。
発明を社会の共有財産として公開し、次なる技術革新の基盤に活かす。
知財活動はSDGs活動です(技術エキスパートYN,TN)。
スペーサー
■特許情報マンスリー『モータ用インバータ回路』をご利用ください。
モータ駆動用のインバータ回路だけに特化したPC月報の特許情報です。
制御技術、保護安全回路、双方向など、見ておきたい情報をPCにお届けします。
無料試読も用意しています。詳しくはお問い合わせください。
——————————————————————-

「オプションカードによるシステムの多様化と低コスト化」(2020.7.9配信分)

技術と特許をつなぐ電源技術メルマガ━━━━━━━━━━━━━━━━
【最新特許事例紹介3】オプションカードによるシステムの多様化と低コスト化
特開2020-092529 (出願2018.12.6住友重機械工業株式会社から)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2020.7.9━◆◇◆
モータ駆動用インバータの制御技術に関する発明です。
モータの駆動方式はパワーモジュールを制御するドライブモジュールで設定されます。基本構成を共通化させつつ、モータ駆動方式を適宜剪定可能にするためにオプションカードを取り付け可能とする構成です。
スペーサー
必要なオプション機能はオプションカードで追加するという考え方でしょうか。うまいこと考えたなぁという感想です。
(『公報や図を見る必要ある?』 『そんな必要はありません』)
スペーサー
モータドライブシステムは、アプリケーションによって種々多様なシステムが考えられます。そこで大切になる考えは、自由に対応できる設計です。
スペーサー
パワー系は機能別にモジュール化し、制御系はカード化して自由度を上げる。これによって基本は共通化させながら、多種多様なシステムに組み合わせ自由に対応可能になる。
個々の制御ニーズに対応して回路構成の開発コストと製造コストの高騰を抑えるのが目的です。
スペーサー
注目発明としてご紹介したい発明は、他にも、故障時の冗長システムなどがありました。その中で、今回のご紹介したモジュールとオプションのカード化。モジュール化できるとモノゴトがシンプルだし、でも、などと・・・。電源のPM化をずっとやってきたので、どうしてもコンセプトが重なるようです(YN)。
スペーサー
《参考図》
図2

図2

 
《公報を読む》
http://www.neotechnology.co.jp/mailmagazine/20200709/特開2020-092529.pdf
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「電力変換装置のバスバーモジュール」

(2020.6.24配信分)

技術と特許をつなぐ電源技術メルマガ━━━━━━━━━━━━━━━━
【最新特許事例紹介2】電力変換装置のバスバーモジュール
特許6647350/公開2020-022239 (出願2018.7.31三菱電機から)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2020.6.24━◆◇◆
技術と特許をつなぐ電源メルマガの注目発明ご紹介、第2号です。
大きな電流が流れるバスバーは古くから電源回路に使われている機構部品です。昔懐かしいラグ板や配電盤の銅板に起源を求めることもできそうです。そんな歴史のある電流バス(ブス)に新しい特許(6647350、今年2月14日発行)が生まれました。その僅か数日前、2月6日には公開特許(2020-22239)が公開されています。特許出願は2018年7月31日、同日の審査請求です。
スペーサー
◆1◆ 審査が発明をタフにする
技術が生んだ発明は、特許の審査を経て強くなります。
本号で紹介する具体例により、公開の発明と権利取得した特許発明を比べます。
【公開のクレーム】公開特許(2020-22239)の発明の要点はバスバーです。
バスバーが、(イ)複数の端子部、(ロ)端子部の間の導電部、(ハ)取付面に対して傾斜する傾斜部が導電部にあること、この3つが要点です。
【登録のクレーム】特許公報(6647350)の特許発明は上記3要点に加え、(ニ)バスバーが絶縁性樹脂で保持され、一体成型されたバスバーモジュール、(ホ)バスバーモジュールには固定部、(ヘ)バスバーの傾斜部には延出部(*)が加わっています。
*これらの事項は公開段階のサブクレームCL.3、CL.4に用意されていました。
スペーサー
◆2◆ 発明の文章作法をクレームから学ぶ
クレーム文は発明の技術的思想(考え)を文字にした文章です。
自分の考えを他人に伝える用語や文章の使い方など、発明の文章作法に注目です。
発明の文章作法は、これからの技術者に欠かせない素養になるかもしれません。
本号紹介の実例で見てみましょう。「傾斜」という用語に注目です。
請求項1には「(略)前記取付面に取り付けられた状態で、前記取付面に対して傾斜する傾斜部を有し、」とあります。この「傾斜」とは何でしょう。
用語の解釈が【発明の詳細な説明】に書いてあります。【0033】の説明によると、『ここでいう傾斜とは、底面70に対して、平行でないことを意味する。すなわち、傾斜には、直角も含まれる。』と書いているではありませんか。
これが、発明の考え方を文字で表す一つの具体例です。普段に何気なく使う「傾斜」という文字から受ける印象とは違いますね。モノづくりの目線からは、傾斜と直角は違うだろうと、叱られそうです。
同じような例は、「バスバーは、絶縁樹脂によって保持され、」の用語「保持」にも隠されていそうです。明細書を調べてみてください。
ただし、用語の乱用はトラブルのもとになりかねません。慎重にしたいものです。
今回は、古くて新しい技術、電源の放熱技術に注目しました。
《参考図》
特許6647350 図5

図5

実公昭38-17271 図2

図2

スペーサー
◆本号紹介の特許6647350と公開2020-022239の明細書(PDF)は下記へ
http://www.neotechnology.co.jp/mailmagazine/20200623/特許-6647350.pdf
http://www.neotechnology.co.jp/mailmagazine/20200623/特開2020-022239.pdf
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「LLC共振コンバータ」

(2020.5.27配信分)

技術と特許をつなぐ電源技術メルマガ━━━━━━━━━━━━━━━━
【最新特許事例紹介1】LLC共振コンバータ(US10,581,319台湾大学から)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2020.5.27━◆◇◆
LLCはZVS/ZCS高効率電源として情報機器や車載電源に使われています。
しかし、弱点の一つがトランス磁束アンバランスです。
スペーサー
半導体や二次側リーケッジインダクタなど、実際の使用部品や配線回路が係わります。磁束アンバランスはトランスの磁気飽和に直結。安心設計が難しくて高コストになりがちでした。
スペーサー
今回の電源メルマガご紹介は、台湾大学が今年3月に取得した最新のアメリカ特許。出願は昨年7月、8か月後の特許です。
スペーサー
好感のもてる明細書です。英語が不得手な方にも読みやすく、なじみのある単語が多い英語の教科書のような丁寧で分かりやすい説明、図も豊富。
【キーポイント】
デジタル制御の最小部品点数化メリットを活かし、PWMパルスにより一次側共振インダクタ電流を検出、トランスの励磁インダクタ平均電流をデジタル演算、励磁インダクタ平均電流をゼロにするようデューティを調整する、磁束の直流成分を検出して磁束を制御するバランス制御と推定技術の発明です。
スペーサー
この特許発明の考え方は、トランスのBHカーブの第一象限と第三象限で用いるハード・スイッチングSEPP/HB/FBや、ソフト・スイッチングフェーズ・シフトZVS-PMWなど、全波方式の電源トポロジーにも適用できるのではないかというご意見も頂きました。
《参考図》
図3

図3

 
《公報を読む》
http://www.neotechnology.co.jp/mailmagazine/20200527/US10581319.pdf

スペーサー

電源メルマガでは毎月、技術と特許をつなぐ考え方注目特許事例をご紹介して参ります。
ご愛読いただければ幸いです。
スペーサー
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【ネオテクノロジーの製品ご案内】
☆USマンスリー特許情報「スイッチング電源回路」月額18,000円+税
☆特許レポート「LLC共振型電源回路」(2016年発刊)180,000円+税
https://www.neotechnology.co.jp/books/enterprise/15576/
☆電源技術既刊ご案内目録
☆本メルマガ「電源技術と特許NEWS」ご愛読者特典割引があります。
下記にお問い合わせください。
mailto:toiawase@neotechnology.co.jp
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